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Coyapuyo Re:Works

30代に突入したITエンジニアが新卒で9年務めたSIer系から転職してみた結果、定時で帰れるようになりました。

巷で噂の映画「進撃の巨人 ATACK ON TITAN 前編」の真偽を確かめに行ってみた。

■映画・マンガ・アニメ
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ちょっと気になったので調子に乗って、
巷で話題になっている映画版の進撃の巨人を見に行ってきました。

巷で話題になっているというのは、
爆発的ヒットをしているとかそういうことではなく、
悪評がものすごく轟いているんですね。
いわゆる炎上している。


それを踏まえて、僕の感想は・・・

 



総評

・映画単体としての出来は悪くないように思う。
 成立していなかったりするところは少ない。
・あのテイストの作品を「実写」映画化すると、色々と不利な面がある。
・原作者は映画に対して深く関わっている、
 その上で、原作とは違うもので実写映画としての表現を目指したと理解する必要がある。
・見に行く場合は、原作とは別の形だと思って見に行くと良い。 



以下若干のネタバレを含みながらちょっと語っていきます。
色々と書いているウチに長文になってしまいました。

























悪評とは何を言われているのか

一言で言うと、
原作からの改変がすさまじい、ということです。
いわゆる原作レイプというやつですね。

映画は、まだ公開中でDVD等もなく、
記憶をもとに語るのでちょっと嘘ももじっているかもしれませんが、
原作との相違点や上がっている悪評は主に以下のようなものです。


・舞台設定を西洋から切り離し、軍艦島をモデルとした日本風の世界観に


・極度に残虐な描写

・唐突なエロシーンの存在


・ミカサのキャラ改変

 エレンのこともそんなに好きじゃなくなってるし、強さもいまいち引き立たない
 マフラーのエピソード、東洋人のエピソード、
 根こそぎなくなっているし、最初はむしろヘタレ
 腹筋もバキバキじゃない。

・そして女子に大不評なのが、人類最強の男、シキシマさんの存在
 リヴァイとは別物に。

・アクションシーンがいかんせん、かっこ良くない

・原作のループ説や、おやじとの関連を示す、
 謎解き要素、ミステリー要素がだいぶ少なくなっている。

 ちなみに、多分後編にも女型の巨人は出てこないんじゃないかな。
 PV見た感じ的に。




どのような見方をしているか

正直に言えば、映画から初めて入った場合には、
それほど悪くない印象を受けました。
自分は、アニメのみ視聴済でした。
当時リアルタイムで見ていて、非常に興奮しながら見ていました。

ありがちな話として、
原作やアニメの実写化だと思ってみている。
映画から入った人には全く別の捉えられ方をするとは思います。

別物として、映画内だけで見たときにはそれほど駄作とは思いませんでした。

先ほどの悪評の部分も見て行きましょう。


・舞台設定を西洋から切り離し、軍艦島をモデルとした日本風の世界観に
  →これは、日本人キャストが
   国内で撮影するのにあたっては仕方がないんじゃないかと。
  →壁の名前とか地区の名前も、「農業区」とか分かりやすくなってたし、
   農業区を取り戻さないと全滅する、だから取り戻しにいくというのは説得力があった。

・極度に残虐な描写
  →原作からしてグロ度は高いし、そのようなテーマを扱っている。
   それが、マンガやアニメだから適度な虚構感を持って描かれていた。
   
   実写化したら残虐になるのはどうしても仕方がないところ、
   ゆるくすれば巨人の恐怖が弱まるし、それは原作改変となる。 

・唐突なエロシーンの存在
  →これを唐突だと感じるかは人によると思うけど、
    「やっぱり原作にない」ものが突然出てくるからそう感じるんじゃあないかな。
  →本作の中で言えば、直前にエレンとミカサとシキシマさんの色恋のような描写はあったし、
   夫婦だということも描かれていた。
   揺れる色恋の苦悩と生への実感と、そこから巨人の恐怖を描く演出も、
   基本的には成立していると感じた。       

・ミカサのキャラ改変
 エレンのこともそんなに好きじゃなくなってるし、強さもいまいち引き立たない

 →自分はミカサが好きなので、ここに関しては養護しにくい
   (否定派の気持ちが分かる)
 →でも、今作の中の範囲で、破綻してたり矛盾があるかどうかでいうと、
   別に成立しているし、問題ないんじゃないかな、と思う。


・そして女子に大不評なのが、人類最強の男、シキシマさんの存在


 →ストーリーを動かすためのの中心人物に据えられて
   しまったため、一人でリヴァイとエルヴィンを足したような位置づけに。
 →また、なんといってもそのカッコつけキャラ、ナルシストキャラ。
 →実写なのでちょっと痛い感じの子になってしまいましたが、
  このキャラはこれはこれで結構好きですけどね。
  (今のところ、リヴァイみたいな優しさとかが全く描かれない。)


・アクションシーンがいかんせん、かっこ良くない
 →これは、実写でやったらしょうがない。
   本当に数年鍛えた、トランポリン、体操選手等
   がやらないと立体機動の説得力は出ません。
   あるいは、アベンジャーズとかアイアンマン、
   スパイダーマンぐらいにフルCGにしてしまうか。
 →そしてアニメの出来がとんでもなく良かった。
   

・原作のループ説や、おやじとの関連を示す、
 謎解き要素、ミステリー要素がだいぶ少なくなっている


 →なぜか、おっさんが「巨人化」について知っている風だった。
   エレンのお母さんとも仲良かったみたいだし、
   出生の秘密を知っているのかもしれない。
 →という、謎は一応あった。
   後編では、一気に答えまで持っていくらしい。
   (原作と同じ答えかはわからないが)
   アニメでは話数をかけられるし、
   「現在公開可能な情報」のコーナーがいい感じにハマっていた。
   映画だと、こういうこともしにくいからバランスとしては、
   こんなものかとも思う。




アニメ版の評価

対するアニメ化のときはどうでしょうか。
僕の見解では、アニメ版の優れているところは以下のような点にあると思います。

・テンポが良かった。
・立体起動の表現が最高にクールだった。
・謎解き等の要素で次の回への引きが良かった。
・残虐表現のバランスが良かった。
・キャストがあっていた。
・OP/EDも作品のために作られていた。

ハッキリ言って、
アニメの出来が良すぎると思う。
アニメ化前から評価されている作品ではあったけれど、
アニメ化がものすごくよく料理してくれていた。


そして何より、
原作への愛とかリスペクトを感じるやり方だった。
OP/EDとかはいい例だと思います。
作品テーマにあった、歌詞と曲をそのために起こしていますよね。

これと比べられてしまうと正直どんな作品でも苦しい。


多分、アニメがなくて、
今回の実写映画で初めて映像化されていたとしたら、
それなに話題を集めてヒットしていたんじゃないかなと思う。

壁の設定、巨人の恐怖と迫力、立体機動、後編への引き、
初めてみたとしたら結構面白いと感じるんじゃないかな?

実写映画で初めて「進撃の巨人」に触れたという人の意見もぜひ聞いてみたい。




正直、実写化を誰も望んでいないことが原因では?

前述のように実写でやるには不利な要素が多すぎたと思う。

この作品はアニメ化よりも前、大昔に実写映画化の話が出て、
色々と胡散臭い紆余曲折がありながら一度頓挫している。
今回の監督とも別の監督で制作しようとしていたが降板となった。

そして、その後にアニメ化があり、これが大ヒット。
本当に出来が良かった。

出来が良かっただけに、
アニメ化以降は望む人は本当に少ないのではないだろうか。
面白いアニメがあるのに、実写で見たい必要性が少ない。
しかも実写にはきっと向いていない。


望まない人が多数いる物事は、
それがどんなにある面では素晴らしくても、
必ず重箱の隅をつつかれ揚げ足をとられて引きずり降ろされる。

昨今の政治やメディアのあり方も、これに通じると思う。

そういうマーケットの中で実写化に突っ走ってしまったところにも
敗因(?)があると思う。



原作の名前を頂いてやるとということは

そして、原作の名前を使う以上は、
やっぱり原作に対するリスペクトだったり愛がないと、
原作のファンにはどうしても好かれない。
べき論とかは別にして、マーケットの反応の事実として。

特に、今回は俺たちがこう料理してやればこう面白くなる、
といった、感覚が見え隠れした。
それが、いわゆるオナニー言われてしまうところなのでしょう。


そうじゃないケースもあるかもしれない。
原作を凌駕するものが作れることもあるかもしれない。


しかし、繰り返すけれど、原作の名前である以上、
激しい改変を行うのであれば、
少なくとも、”そういった反応”があることは、念頭に置くべきだし。
そういった反応は確実に起こる前提には立ちつつ、
それでもねじ伏せるようなものを作る、という戦略や気概が必要だと思う。


現在、スタッフが観客に対してTwitter等で発言している
「バーカ、バーカ」という態度からは、
少なくともそれは感じられない気がする。

そして、これは、お客さんの側にも言えること、
面白くないとか、ここがあっだったこうだった、というのは批判だし、
発言の自由があるけれど、
スタッフを名指して人格否定誹謗中傷するのは明らかに問題がある。

スタッフ側も一方的に「バーカ、バーカ」と言い始めたのではなく、
批判なら分かるけど、
そうでないのが多すぎて受け入れられない旨のコメントをしている。



原作者の意向に沿っているかどうか

そして最後に、

原作の名前を頂くときに最も重要なのは、
実際に原作者の意向はどうなのか、というところだと思う。
作者の望まれない改変が商業主義的に行われたのであれば、
それは、罵声を浴びせられても仕方のないところ。

最近は実際に当事者でもない人の声が大きくて、
「かわいそうじゃん」「~の気持ちも考えろ」みたいな声が
大きい世の中だけれど、

本作に関しては、
原作作者、諫山創先生のコメントがあります。

    諫山創です。    実写映画「進撃の巨人」について色々とご意見をいただいておりますが、ファンの皆様に自分の思うことをお伝えできればと思いました。
    今回の実写映画制作については僕も初めから関わらせていただきました。    監督や脚本家やプロデューサーの皆様と打ち合わせを重ね、様々な意見や良かれと思った提案などをさせていただき、今回の前後篇ができあがりました。
    ですので、この映画に期待を寄せていただいた方々のご感想やご意見については賞賛意見、あるいは憤りも受けとめ、できるだけ理解したいと思っています。
    もし観に行くか迷っている方がいらっしゃいましたら、まずはこのPVをご覧ください。    実写映画「進撃の巨人」の見どころが詰まったPVです。後篇の熱い展開も、ネタバレにならない範囲で詰まっています。そしてもし、何かを感じて観に行きたいと思ってくださった方は、劇場へ是非お越しください。
    以上、勝手なお願いですが、僕は進撃の巨人で楽しんでいただけたらと思っています


http://natalie.mu/comic/news/156300より



最後に、1つ良かったと思えるところは



石原さとみ先生の、ハンジ。
これだけは良かった。

ちょっと痛い子な感じに見える部分もあったけど、
一番原作準拠してたんじゃないかな。