ドラクエ映画 YOUR STORYに感じた違和感を整理する

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■映画・漫画・アニメ

こんにちは、こやぷよ(@coyapuyo)です。

みなさん、ドラゴンクエスト、知っていますか?

世代ごとに違いはあれど、あれだけの巨大IPですから、それぞれに何らかの形で触れたことはあるのではないでしょうか。

かくいう私も1992年に発売された、ドラゴンクエスト5には非常に影響を受けており、思い出深い作品のひとつです。

そんなドラクエ5をベースとした映画が公開されました。

映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』公式サイト
映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』公式サイト 8/2 ROADSHOW 原作・監修:堀井雄二 音楽:すぎやまこういち 総監督・脚本:山崎貴 監督:八木竜一 花房真
「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」予告①

最後の「大どんでん返し」がどうしても受け入れられない

そう、それだけの伝説の作品がとうとう映像化されたわけで、往年のファンにとっては気になる存在でした。

僕自身も、「天気の子」を初期のころに観に行ったとき、ドラクエの予告が流れており「良さそうだな」と気になって観に行った口なのです。

所々に違和感を感じつつも、全体としては楽しめており。

熱いラストバトルを経ていざクライマックス!・・・というところで「ソレ」は起きました。

「大どんでん返し」により、これまで全く流れが変わってしまいそのままエンディングとなりました。

この大どんでん返しを評価する方もいるとは思いますが、実際の劇場での空気感としてはざわめきが起こり、ネット上でもプチ炎上を起こすほどの事態となりました。

僕自身も、到底受け入れることが出来ず、しばらく呆然とする日々が続いたほどです。

ここから先の文章では、その「どんでん返しの何がどうだったのか」、自分の気持に整理を付けていく意味でまとめていきたいと思います。

故に、ネタバレを含みますので、ネタバレが困る方はここで引き返すようにお願いします。

良かった点も、もちろんある

先に、良かった点についても触れておきたいと思います。

3DCGの質感、映像美

割と好みで、ドラクエらしくもあり非常に良かったです。グランディアで白組さんを見ていた頃がなつかしい。

キャラクターデザイン

原作を崩してオリジナリティを出しつつも、嫌悪感のない形にうまくまとまっていました。

崩してうまくいくっていうのはあまりない例だと思うので、すばらしいですね。

アクションシーン

ドラクエといえばFFほど動きのある戦闘のイメージはありませんが、本作ではアクションシーン満載でとにかくよく動きます。

漫画で言えば止め絵の繰り返しのターン制バトルではなく、フィールドを縦横無尽に使っているのは非常にかっこよかったです。

逆手でのバギクロスなんて胸アツです。(なぜベギラゴンもメラゾーマも通らない相手に、バギクロスがあそこまで有効だったのかは不明ですが・・・)

親子3代の人生の時間をうまく描いた

ドラクエ5が他の作品と比べて特徴的なのは、幼少時代から青年期まで人生を描いているところです。これを80時間のゲームならまだしも、2時間程度の映画に収めるのはなかなか大変だと思いますが、いいバランスでまとめつつ、それぞれの親子の絆を描けていたと思います。

最近何度か書いていますが、こういう時間の積み重ねみたいな話に本当に弱くなりました。若い頃は時間や歴史の重みなんて感じられないですからね。

なんだか「時間の流れ」みたいなものに涙もろくなった
体操の内村航平選手とガンバ!FlyHIghの藤巻駿の関係、良いですなぁ。

その3代全てを見届けていたサンチョ、一体何者なんだ?セリフとしては歳をとったと言われていたけれど、全く老けたように見えないサンチョ、ある意味一番すごいやつ。

ビアンカこそ至高

これだけはどうしても声を大にして言いたい。

本作のビアンカ、最高過ぎます。

もともとビアンカ派であり、贔屓目に見ているところもあるかもしれない。しかし!

ポップに髪型を崩したの、大正解!

有村架純ちゃんの起用、大正解!

幼馴染キャラのど真ん中レッドカーペットを行くこの仕上がりは、本当によく分かっていらっしゃるとしか言いようがない。

制作陣の誰かのフェチがふんだんに盛り込まれているような気配を感じるぐらいです。

気持ち悪さ覚悟で言えば、描かれていた「母性」、最高ですね。

母性については、声の影響が大きい気もしますが、あの方には感服です。

所々に感じていた違和感、疑念は確信に

良いところがあっただけに!

それだけに!結末が非常に残念でなりません。

ところどころで興が冷めるような、「ん?」という違和感は感じていました。

映画冒頭の実機映像とドットフォント

まず、ドットフォントによる、冒頭での天空の剣と勇者の説明、旅は続いているという導入。

なんだか、再現しようという心意気やリスペクトが感じられない気が少ししていました。

原作の映像を使ってみたり、あとから思って見れば、没入させるより歴史資料館の展示でも見せられているような、メタっぽい感じがこの時点からすでにしていたんですよね。

さらに最後まで見れば、幼少期をスキップしたためにあの描写になったという、伏線にもなっていますね。

中盤の電脳描写とドットフォント

そして、中盤の結婚を決意するシーンにおいて、自分の本当の気持ちに気がつくために電脳描写的な場面があります。

ここも、まったくもってドラクエらしくなく、違和感が半端なかったです。

普通にフラッシュバックさせればよいだけなのに、無駄に電脳空間に入れてまたもドットフォントを出してしまう。

「ん?」と思いましたが、最後まで見るとこれも伏線です。

実際には自分でかけていた自己暗示プログラムというものを破っているにすぎなかったという訳ですね。

主人公が感情をむき出しにして喋り過ぎている

そして、全般通して、主人公が感情を持ちすぎ、喋りすぎているな、と思って見ていました。

原作のドラクエはFFと違って、主人公のセリフが一切ありません。

これはあくまでも、主人公はプレーヤーであり、プレーヤーの意に介さないセリフを押し付けたくない、プレーヤーそれぞれの思いでプレイしてほしい、という有名なポリシーから来ているものです。

にも関わらず、冒険するなんて無理だとかなんだとか文句を言ったり、かなり感情を出してしまっているな、と。

ここでも原作の思いを軽視していると感じていました。

そして、これも伏線でした。

サブタイトルのYOUR STORYに繋がる通り、あくまで1ユーザーの視点で描かれているのでこうなるんですよね。

伏線となっているところは、全て違和感を感じていた

と、振り返ってみると、伏線となっていたところが全て気になってしまった、ということです。

なぜ気になるかといえば、原作らしくない要素やメタっぽさが現れていたから、ですね。

そして、それはあの「どんでん返し」によって確信へと変わってしまうわけです。

大どんでん返しの功罪

多分、どんでん返しはあとから取ってつけたのではなく、かなり映画の根幹として初期から組み込まれていたのではないかと推察しています。

スラリンの存在も割と早くから伏線が張られていましたね。

これでみんなビックリして驚いてくれるぞ、とワクワクしながら仕込んだぐらいの制作状況だっただろうと思います。

駄目なんですよ、奇をてらったら!ここにすれ違いの根幹があるように思います。

唯一、「功」と言って良い部分

前述の通り、本来は主人公がセリフを喋りません。

これを覆すためには、この設定しかなかったように思います。

映画オリジナルなら喋ってもよい(ダイの大冒険、ロトの紋章等の例もある)でしょうが、原作モノで喋らせるにはああするしかない。

なので発想自体はさほど問題ではなかった気がします。

が、見せ方と、驚き方向への誘導が強すぎたことが問題だったと思います。

「罪」とは、どの部分だったのか

直接的には、驚きとドヤッを求めて寄せるあまりに、

「ドラクエ」を求めた観客に、「あまりにもドラクエ的でないもの」を突然見せつけてしまい、

それこそ観客を「虚無」に落としいれてしまったこと。ここです。

もう少し具体的にいきましょう。

ドラクエとは、王道の冒険物語である

「ドラクエ」で集客したからには、その層がドラクエに求めるものは「王道の冒険物語」です。

王道が見たいのであって、メタ的で裏をかいたものなんて求めていない。

実際に予告編でも、王道を信じて疑う要素はありません。

驚きを演出ために、意図的に隠していただろうと思います。

他の映画でもどんでん返しはよくありますが、オリジナルならともかく、「ドラクエ」が元々もつ魅力とはあまりにも相性が悪い。

はじめから「YOUR STORY」であることをオープンにして押していれば、看板に偽りはなかったと思いますが、集客時とちがいものを提供することで「騙された」ような気持ちを持たせてしまったことが最大の問題点なんだろうと思います。

人生の重みが詰まっている

騙された、裏切られた感を、強くしているもう一つの要素があります。

それは、オリジナルでなくドラクエを看板にしたときの、その重みを甘く見ていたように見える点です。

超大作ですからプレイに80時間ぐらいかかったりもしたでしょう、プレイ時間中にもドラマがあります。

さらに、ドラクエ5はもう30年近くも前の作品になってしまいました。経過時間によるそれぞれの思い入れがあります。

映画の中でも親子3代にも渡る人生の時間を扱っています。劇中の話にだってそれ自体に思いmがあります。

これだけの時間と重みを積み重ねてきたものを、

そして劇中でも楽しませてもらって、さあ気持ちよく終わろうというそのときに、

すべてがひっくり返って虚無になってしまった観客のおきざりの気持ちは逃げ場を失ってしまいます。

劇場に入ってからの時間だけでなく、いろいろなものを載せて見ている人がいるわけです。

前フリも説明もなく、茶番化してしまった

とはいえ、前述した通り、この設定自体はこの作品には必要だったと思うんです。

だけど、あまりにも驚きに全振りしてしまったために「説明不足だった」と感じます。

最後のどんでん返しで、

「遊びの時間は終わりで、もっと大人になれ」とゲームを否定します 。

この主張が突然過ぎて全然意味が分からない。

別に難しいことを言っている訳ではないのですが、時が止まる描写も相まってこちらも完全に時とあたまが固まっているときに、早口で語りだされても理解が出来ない。

驚きの方が強すぎて主張が全く頭に入ってこないのです。

あまりにも呆気にとられて、呆然として飲み込めない間の出来ことでした。

そうこうする間に、主人公側も熱くなってきてバトルが始まってしまします。

でも、何を言い争っているのか全然、しっくり来ない。

熱い展開風ではあるのに、何を言っているのか分からない状態、ある意味では「茶番」っぽく写ってしまったと思います。

さらに、逆なでするような要素

ミルドラース(偽)さんも、もっと懇切丁寧に主張すべきだったんです。

突然の乱入でも中身のあるちゃんとした主張なら耳を傾ける価値があります。

主義主張なんて人それぞれですが信念を持ってやっていることなら誰が笑うことが出来るでしょうか。

しかし、 ミルドラース(偽)さん はあのキャラクター感で、こう言いました。

「気まぐれですよ」 「まあ、そんなもんですよ」

こ、こいつ!主義主張を持っていないぞ!

私を作った人間、とかいって、自分の考え方も持っていないし!

そんなんで邪魔してくるなよ!

大体なんなんだよ!

あのデザインは!

./hackとかなら理解出来るけど、全くドラクエ的じゃないだろう!

まだ、あるぞ!

現実における店の店員の態度や、主人公のチャラチャラした様子も気に入らないし!

なんなんだよ、盛り上がっていた気持ちを台無しにされて行き場を失っているのに!

どうしてどいつもこいつもなんか軽いんだよ!チクショウ!

普通にクリアして、現実に戻しても成立しただろう!

・・・

ついつい、声を荒げてしまいました。(ゴホン)

多分前編見るに耐えなかったらここまでの騒ぎにはなっていないでしょう。

やはり「裏切られた感じ」を観客に与えてしまった点がこの騒動の本質だと思います。

それは、そもそもコンセプトとして「ドラクエをプレイした人たちに向けたYOUR STORY作品」であることを伏せたことにより、純粋にドラクエが映像化されたと思って足を運んだ人達とのすれ違いの結果生じた裏切りでした。

オリジナルでなく、ドラクエでそれをやってしまったことが、そしてその重みを軽くみていたところが失敗があったのではないでしょうか。

やるにしてもちゃんと事前から説明をしておくとか、もっと丁寧によりそっていく伝え方なら、お味内容でも成立したとは思うのですが・・・。

考えてみるに、

普通にクリアしてから現実に戻してもおかしくなかったように思います。

なんならスタップロールの後に、現実に戻しても成立したぐらいですよ、きっと。

どうしてあんなにカドの立ちそうなキャラを間に噛ましてしまったのか・・・

きょうび、「ゲームなんてやめなさい」という世論でもなくなってきて、ご時世とも合わない気がしますしね。

タイミングといい、造形といい、テクスチャOFFとかの陰湿なやり方、言い回しといい。

罪の大半はミルドラさんにある気がするので、あそこさえ違うやり方が出来たなら・・・

まあ、いろいろ長くなってしまいましたが、

僕たちの冒険はこれからだ!ということですかね!

ではでは。

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