映画「何者」 自分が何者かを知るには痛みを伴うよね

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こんにちは、こやぷよ(@coyapuyo)です。

映画「何者」観てきました。

https://nanimono-movie.com/

「君の名は」前の予告映像で見かけてから気になっていたんですよね。

で、観た結果、かなり心をえぐられてしまいました。

その感想を少し書いてみたいと思います。

目次

「何者」とは何ぞや?

原作は「霧島部活辞めるってよ」でも有名な、

朝井リョウ先生の直木賞受賞作。

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

何者 (新潮文庫)

何者 (新潮文庫)

乱暴にまとめると、

5人の若者が就活を通して、自分が「何者」であるかに直面していくお話しです。

予告編はコチラ。

『何者』予告編

感想

痛い、ただひたすらに痛かった。

実際僕は、去年30歳を超えて就活をしていました。

それはやっぱりツライ作業だったんですよ。

就職先が見つからない中、

自分はどこに向かいたいのか、何者なのか、考えることになります。

そして、「何者であるか」という問いを考えようと思ったら、

どうしても「自意識」「承認欲求」というものと向き合うことになります。

映画の登場人物達も、どこかその自意識を拗らせています。

・二宮拓人(佐藤健)@冷静分析系男子

・神谷光太郎(菅田将暉)@天真爛漫系男子

・田名部瑞月(有村架純)@地道系素直女子

・小早川里香(二階堂ふみ)@意識高い系女子

・宮本隆良(岡田将生)@空想クリエーター系男子

天真爛漫と地道系素直はまだ問題は少なそうですが、

他はもう拗れてます。

そしてその様が有り体に言えばとてもイタイ。

そう、カタカナの「イタイ」ですね。

そしてそれを観ている自分はとても痛かった。

こやぷよは、冷静分析系おじさん

なぜ痛かったか?

痛かったのは、

とてもよく分かったからです。

とても良く分かったのは、

僕自身も何を隠そう「冷静分析系男子」だからです。

劇中の誰に一番近いかと言われれば、冷静分析系の彼でしょう。

物語終盤に、

冷静分析系男子の闇の部分が見えてくる核心の部分があるのですが、

まあ、見てられないぐらいにイタかったですよ、いや、痛かったですよ。

ええ、まさに自分のことだからです。

冷静分析系男子は常に斜に構えて一歩引いたところから現実を観ています。

そして、安全地帯から現実の人々をどこか馬鹿にしているのです。

それを強い言葉で突きつけられたらそりゃあもう痛いですよ。

加えて、僕の場合は、「意識高い系」の属性も併せ持っています。

劇中の意識高い行動(留学、人脈、名刺、SNSサーチ)はしてませんが、僕にも行動しないなりにも手にした肩書や経験がですね、多少はあって。

こう、口をついて出てきてしまうんですよ。

「前、○○に行ったときには~」

「前、○○したことがあってさ、そのときは~」

言わなくても良い自慢みたいなのが枕詞に付いてしまうんですよね。

これはマジでやってしまいます。

喋り終わったときには「あっ」って思うんですが。

喋り初めのときは本当に無意識です。

無意識だからこそ本当に厄介で、

これ、完全に自信のなさの裏返しから来てるんですよね。

だから、そういう枕詞で自分を飾り付けないときっとまともに喋れないんですよね、きっと。

そういう自意識の闇の部分をすごく描いている作品です。

観る人によってはキツイんじゃないかとも思います、

が、「観る人によっては」に該当する人が多い時代なのかなとも思います。

きっと多かれ少なかれ誰かの何かの属性には刺さるものがあるハズです。

時代をよく切り取っているな、と思わせる作品でした。

(あと、クリエーター畑の人にも刺さるセリフが出てくるので気を付けて・・・)

最後に

といった具合に、正直、本作は分かりやすいエンタメ作品では全くありません。

もし自意識を拗らせたことのないような一般人(?)にはあまりウケない(というか理解や共感が出来ない)かもしれないなとも思いました。

実際に劇場でも「なんか、難しかったね」というような声もどこからか聞こえてきました。

就活をする人はぜひ見るべき!共感出来る、勉強になる!

という意見や感想の方も見受けられますが、

正直僕は「就活生」がこれを観るのは非常に危険かもと思いました。

強い人ならいいですが、弱い人が本作を観ると就活がとても怖く感じるだろうと思うからです。

そしてそれ以上に、

・自分が社会に受け入れられないこと

・自分と向き合うということ

この恐怖が描かれていることが僕は辛かった。

(胃が痛い・・・)

一応、最後には多少希望のある終わり方にはなっているのですが、僕の目から見たソレは、あくまでも「多少」であってその後どうなったのかは描かれていませんし分かりません。

痛みを伴いながらも自分を見つめる覚悟のある人はチェックしてみて下さい。

ではでは。

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