「君の名は。」新海監督過去作品を足して割った感じ?

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こんにちは、こやぷよ(@coyapuyo)です。

新海誠監督の最新作「君の名は。」を観てきました。

今作は新海作品とは思えないぐらいガンガンにプロモショーンをしていてTVCMも結構な量が投入されていたのでCMも観たことがある人も多いかもしれませんね。

「君の名は。」予告

「君の名は。」予告2

目次

新海誠監督作品

本作の内容については、上記の予告を観て頂くとして・・・

本作を語る上では、新海誠監督の存在を避けては通れません。

本作は同監督の7作品目の作品になりますが、

初期の頃の作品は小規模ながらほとんど1人で制作をしており、

体制の大きくなったいまでも脚本・監督を行っているため監督の色が強く表れているからです。

いわゆる新海作品は、

・背景が神がかり的に綺麗

・心理描写、内面や心の機微の表現がうまい

ことなどが特徴であり評価されていますが、

その裏返しで、

・背景だけの映画(止め絵も多い)

・プロモ付き小説(倫理描写のために小説的自分語りが多い)

なんていう声もあったりして合う人と合わない人がいます。

そして、監督は常に作品のテーマとして

揺れ動く心の距離感や葛藤を大事にしており、

そのために必要であれば必ずしもグッドエンドには拘りません。

一般にはモヤっとする結末であることも多く、ここも人を選ぶ点ですね。

かくいう僕は、比較的初期の頃(「ほしのこえ」頃)から監督の作品は観させてもらっており、上記の点も大好物なんですけどね。

何ってもうね。

第4作目の

「秒速5センチメートル」

が最高なんですよ。

「秒速5センチメートル」予告編 HD版 (5 Centimeters per Second)

僕が前職の会社を辞めるにあたって影響を受けている作品でもあります。

主人公の退職シーンには涙を禁じ得ません。

未視聴の方にはぜひ見て頂きたい。

秒速5センチメートル [Blu-ray]

秒速5センチメートル [Blu-ray]

( ちなみに漫画版の最後には、ちょっとだけ救いのある後日談が描かれているとかいないとか。。。)

秒速5センチメートル(1) (アフタヌーンKC)

秒速5センチメートル(1) (アフタヌーンKC)

こやぷよ人生的には、新海作品に限定せずとも5本の指には入れても良い作品です。

結局、作品の好き嫌いは「共感」によるところが大きいと思いますが、この作品には全般通して共感しかありません。

しかし、決して万人受けする作品ではなく、タイプ的に全く主人公やヒロインの気持ちが 理解出来ないという人もいたりするので人間って面白いですね。

「君の名は。」秒速超えなるか

そんな感じで僕の中では、

秒速5センチメートルがあまりにも高い頂きとして君臨している訳です。

逆に言うと、僕の趣向として

SFに比重を置いてしまった「雲の向こう、約束の場所」

ファンタジーに全振りしてしまった「星を追うこども」

は自分の中でヒットしませんでした。

久しぶりに日常路線であった「言の葉の庭」には期待していたんですが、秒速の高すぎる壁は僕の中で超えられませんでした。

そして今回「君の名は。」では、

事前の情報で秒速を超えたなんて言っている有名人の方もいたので、

そうとうに期待が膨らんでいたんです。

一般で観た人の感想もなかなか好評みたいですしね。

これはもう期待するしかありません!

(ネタバレあり)個人的感想、秒速超えならず!!!

結果はこうなりました。

やはりそう簡単に秒速は超えられないですね。

ここからはネタバレありで、少し語って行きます。

冒頭から映像は美しく、

定点からの360度映像っぽい描写が多用されていて引き込まれました。

伏線を含んだカットや、お得意のプロモ的手法で音楽も盛り上がります。

序盤から中盤までテンポも良く、

個人的に好きな展開だったので非常に楽しんで没頭していました。

そう、個人的に好き過ぎたんですね、コレが。

正直コレを最後まで観ていたかった。

すでに観られた方は分かると思いますが、

本作では中盤から急に流れが変ってファンタジー色強めの展開になります。

狙って仕組まれているのですが、

楽しんでいたところに衝撃的な展開でした。

ここからは、

「雲の向こう、約束の場所」

「星を追う子ども」

風なテイストに変わっていきます。

前半は、

「秒速5センチメートル」

「言の葉の庭」

的なテイストで進んでいたのに・・・

星のこえ~雲の向こうの流れを見ると、

明らかに監督の趣味はSFにあって好きでやりたいんだろうなぁ、

というのは伝わってきます。

好きなんだろうと思うのですが、

多分監督が得意なのは日常の機微とか恋愛の方だと思うんですよね。

SFやファンタジー要素は入れても良いんでが、

俗に言うセカイ系というか、世界を救うような話にはせずに舞台装置や小道具程度に留めておくのが良いんじゃないかなと思うんですよね。

今回の映画では、

この要素が半々で入っている作品になっています。

そのどちらが好きかで評価が分かれるかもしれませんね。

今までの作品を足して割ったような、そういう作品に仕上がっていると思います。

本作であれば、個人的には

前半の入れ替わりの様子を全体の7~8割りに増やして、

後半以降の隕石の下りは終盤2~3割りのバランスにして欲しかったなという想いです。

地味に本作で気に入っているキャラに、

奥寺ミキという東京の先輩がいるのですが、


先輩の私服可愛すぎ!

声を当てている長澤まさみいい味出し過ぎ!

(映画モテキのときといい、こういうキャラは向いているのかも)


この先輩との駆け引きやヒロインとの間の想いの揺れ動き方などにもっと比重を割いてほしかったなぁと。

この先の新海監督作品はどこに向かうのか

最後に、

スタッフロールに物凄い数の関係者が記載されているのを見ました。

自主制作をされていた頃からしたら考えられない規模だと思います。

冒頭でも述べたように、今回は過去作に比べてもプロモーションも強力になされています。

初期のころから段々と大きくなっていく様子を観ていて、感慨深いものがあります。

より大きな予算で作品が作れるということも期待出来るでしょう。

しかし逆に、段々と商業的負担や制約が大きくなって好きなモノが作れなくなる方向に行ってしまうとしたらそれは心配でもあります。

今のところ、作品内容を見る限り好きなように作れている感じはしますけどね。

簡単に秒速を超えてもらっても困る気持ちもありつつ、

秒速を超えるものを観てみたい気持ちもあります。

描きたいものはいつも同じではないと思いますが、

監督には是非日常路線や秒速路線の作品をもう一度作って欲しいなと期待しております。

ではでは。

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