マンガ表現のこれからについて、考える。

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こんにちは、こやぷよ(@coyapuyo)です。

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先日、トークセッション「マンガの”見せ方”が変わる時代」を聞きに行ってきました。

https://natalie.mu/comic/news/166418

目次

漫画の変遷

前半から中盤まではこれまでのマンガの歩みが紹介されていました。

初期における手塚治虫先生の与えた影響、その次の世代、大友克洋先生に影響を受けた時代など、マンガにも当然歴史とか変遷があるというわけです。

そして、

紙の見開きマンガ形式での表現における最高到達点は、

「スラムダンク」最終戦の無音描写にあるのではないか

という意見まで挙がっていました。

なるほど、確かにあれは当時から衝撃的でしたよね。

絵の躍動感だけで、セリフがないが故の余白が読者の想像力を掻き立てる、と。

縦スクロールマンガの台頭

そして出版不況吹き荒れる中、新しいマンガの形も出現しています。

今のところ台頭してきている中では、comico形式と呼ばれるような縦スクロール

形式が優勢な感じですよね。

https://www.comico.jp/

comico内の作品ではないのですが、

comico作品以上に縦スクロール表現を駆使した象徴的作品があります。

それが、電脳マヴォに掲載されている、

ムライさんの「鳥の眼」という作品です。

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ムライ作品集 トリコの本棚 鳥の眼

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https://mavo.takekuma.jp/index.php

長い話ではないので、ぜひ一度読んでみて下さい。(読み切りです。)

縦スクロールマンガも今では数ありますが、

中でも「鳥の眼」は「単純に縦にしました」というものではなく、

「縦スクロールならでは」の表現を貫いています。圧巻です。

ちなみに本作は、センスやひらめきでパっと出来たものではなくて、

かなり綿密に検討・計画しながら狙って作ったとのこと。

ただ、結局こういう新しい表現が出てきてもいまいち爆発しきらないのには

事情があるようで、次のような趣旨の話が出ていました。

 Webで公開しても、最終的に紙で単行本化する流れが必ず見え隠れする。

そうなると、結局紙用に描き直しが必要になることを恐れて、Webに特化せず無難な表現しかしにくいというしがらみがある。

(縦スクロールの印刷なら、巻物形式??)

Webだけもうまくマネタイズ出来るという部分が課題になっている。

紙とWebの関係は、これから模索していかなければならないところなのでしょうね。

マンガは古典としてのポジションになっていく?

漫画の歴史も戦後70年そこそこです。

70年の伝統があってこれを壊してはいけないとも見える数字だし、

そろそろ変わるべき時に来ているとも言えるし、

まだまだ、如何ようにも変化するべき浅い歴史しかないとも見えますね。

僕は全くの素人ですが、

どちらが良くて悪いという二律背反にはならない気がしています。

どちらにも良さはあるし、きっと共存は出来る。

紙と、新しい表現(Web等)を案件ごとに

行ったり来たりする作家さんも増えることだろうと思います。

もちろん、徐々に紙の比率は減っていくことは避けられないと思います。

例えば小説の場合も、

明治大正の時代はもっと大衆に浸透したポジションだったと思う(不勉強)のですが、

今は大衆共通の娯楽ではなく、好きな人が愛好する形で残っていると思います。

あるいは、歴史的資料価値とか、当時の世相を知る、みたいなそういう位置づけが強くなっている気がします。

もちろん、残す努力をしている方たちが踏ん張っているからだとは思います。

でもこのことは、完全に置き換え可能な上位互換の存在が現れない限りにおいて、

完全消滅にはならない方向に力が働くんだということの証明にもなると思うんですよね。

紙には紙のメリットが今のところはある。だから完全には滅びない。

個人的な感覚からすると、

小説がたどた流れのように、

漫画も古典文学のような存在として扱われるようになって行くんじゃないかなと思っています。

単純に大衆に消費されるものから、一段昇華されたポジションに落ち着く。

そんなことを思ったトークセッションでした。

以上、素人の分かったような戯れ言でした。

ではでは。

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