こんにちは、こやぷよ(@coyapuyo)です。
「人生で大事なことを教えてくれた」
っていう経験ってあると思うんですよね。
そういう実体験から来るものが一番身に染みるものですが、
僕なんかは、30年ぐらい生きてきてようやく大切なことの片鱗がようやく少し分かってきたりする感覚があるぐらいで、行動してない人にとっては中々得る機会の少ないものでもあります。
実体験がなくても、
まぁ世の中にはたくさんの本が溢れているので、
そこから疑似体験で学ぶこともあるでしょう。
活字でなくても、ドラマや映画を人生のバイブルにしている人もいるかもしれませんね。
でもですよ、僕はまさか
それを、ラノベに教えてもらえる日が来るとは思ってもみませんでした。
別にラノベが駄目という訳ではありませんが、
ライトなノベルという観点からすれば、
頭を使わずに楽しめることを目的としたものであって役割が違うと思っていたんです。
そんな自己啓発ラノベを今日はご紹介させてください。
「Re:ゼロからはじめる異世界生活」を知っていますか?
ラノベ原作(なろう系)の作品です。
2016年の春夏に2クールでアニメ化もされていますね。
タイトルが割とすべてを表していて、
定番の異世界ものでありつつ、ループものでもあります。
現実で冴えない日々を送っていた主人公が、コンビニの帰りに突然異世界に召喚され、
ドタバタ異世界生活の俺TUEEE伝説が始まる・・・!
と、思うじゃないですか?
本作は違うんです。召喚されてからが。
本作で召喚後に始まるのは、
「決して強くはない主人公の笑えない血みどろの生活」です。
ちょっと進むごとにトコトンうまく行かないんですよ。
そして毎回かならず血を見ることになります。
そう、読んで字のごとくです。
本作はループものですが、そのループの条件が「主人公の死」なので、失敗して死のルートに入ってバットエンドになると分岐まで戻って繰り返すわけです。
RPGのセーブシステムや、
サウンドノベルゲーム、ADVゲームのシナリオ分岐システムを小説、及びアニメに取り入れた形ですね。
それだけ聞くと、ありきたりで浅い話のように聞こえるかもしれませんが、
本作は本当に秀逸だと思います。
何がそんなに秀逸と感じたのか、それは次の点です。
バッドエンド
前述の通り、トコトンうまくいかないので、途中何回も観ることになるのがバッドエンドです。
これが観ていて本当に苦しいです。
1つとして同じバッドエンドはないのですが、本作のバッドエンドはどれもエグイものばかりです。
自分や周りが相当悲惨な死に方をしたり、
ショッキングな事実が判明したり、
あるいは自分の精神面の未熟さが露呈したりそれを見抜かれ責められたり・・・
ループもの作品の先輩として、「シュタインズ・ゲート」がありますね。
悲惨さ、ショッキングさにおいては、
毎回毎回、シュタインズ・ゲートのα世界線終盤のループぐらいの悲惨さだし、
天王寺綯ルートばりのショッキング展開もあります。
また精神面では、映画「何者」が痛かったと書いたこともありますが、
本作は「何者」以上でした。個人的に。
自分の内面の矮小さを論破され見透かされたときの痛みと言ったらもう・・・
といったぐあいに鬱展開や悲惨展開が好きな人は楽しめるハズです。
ループの有効活用
劇中では、1つのイベントにつき4回ぐらいやり直してようやく次のイベントに進んでいきます。
その次のイベントだって4回ぐらいしないとうまくいかなないんです。
5回に4回は鬱展開で、たまに1回の報われる話が来る、そういう展開になっています。
でも、この作品の秀逸なところは、
この失敗の繰り返しが単なる無駄ではないところです。
ただ悲惨な失敗を演出して煽りたいだけの失敗ではありません。
ちょっとずつ、毎回の失敗にヒントが隠されているんですよ。
何がいけなかったのか、本当は誰がどんな気持ちで動いていたのか、
それが繰り返すたびにちょっとづつ分かっていって真実に少しづつ近づくんです。
そう、ミステリーや推理要素を入れてあるんですよ。
これも本作を面白くしている要素のひとつですよね。
1つ1つの失敗のときはよく分からない謎だらけなのですが、
抜け出すときにはすべてが伏線になっています。
ミステリー、推理もの好き、伏線好きな人が楽しめる要素が入っていますね。
リゼロが教えてくれたこと
そして上記のような作品の性質を踏まえて、
本作が教えてくれる大切なことがあります。
・人を動かすということ
本作の主人公は決して強くはありません。
ひとりでバッドエンドを繰り返すウチに、必然的に周りに協力を求めるようになります。
しかし、せいぜい出来るのは土下座で頼み込んで情に訴えたり、
「こんなに困っているのにどうして助けてくれないんだ、この人でなし!」
といった感じの悪態をつくことぐらい。
これでは人は動いてくれません。
ビジネス界隈でも人脈人脈などと言われたりしますが、
出来る人にただ単に近づいていっても何も貰えたりはしません。
いわゆるクレクレ厨ということになるんでしょうか、
相手にもメリットのある何かを自分も提供しなければ対等な交渉にはなりえないんですよね。
・諦めず、失敗を糧にすることの大切さ
そんな絶望的な状況で誰にも助けてもらえない中、
何度もループを失敗したり助言のヒントに気が付いていくうちに、
主人公は最後には周りを動かすことに成功します。
それどころか、
主人公の提供したものや行動によって動いた人達は、
その後のさらなる主人公の動きを見て主人公に恩義を感じるまでに至り、
最終的に、皆が慕い主人公のためならと協力してくれるようにまでになります。
言葉だけで書いてしまうと、
出来過ぎだったりお涙頂戴のご都合展開のようにも見えます。
が、このあたりは丁寧に描かれているので全然そんなことはありません。
長期に渡って絶望的だった様をずっと見ていた後だけに、
本当に良かったなぁとカタルシスを感じずにはいられません。
あの失敗もあの鬱展開も無駄じゃなかった。
すべてが最後の成功のための伏線として繋がっていくんですよね。
かなりの長い期間うち展開を見せられることになりますが、
それが演出の都合なだけでなくちゃんと意味があるんですよ、
全部必要な失敗だったんです。
そう考えると報われてくれて本当に嬉しくなります。
また、もうひとつ別の例としては、
本作ではループによって同じ敵と難度も対峙する場面があります。
その敵は本当に狂気に満ちていておぞましい敵として描かれています。
それこそもう震えてチビッちゃうぐらいの。
最初は本当に敵いっこないような相手だったんですよ間違いなく。
しかし、ループを繰り返すうちに、
敵のことが分かってきたり仲間が増えたりして、
実際に主人公の戦闘能力が上がったわけではないのですが、
その敵に向かってハッタリをかましたり対等に向かい合ったりするようになっていきます。
これも観ていて本当に感慨深いんですよね。
何回も繰り返しているんだから当然といえば当然なんですがね。
色々と情報や経験が増えていたり相手の強みや弱みが分かってくるんですから。
現実でも同じだと思います。
失敗は無駄じゃない。
失敗前に戻れるわけじゃあないけれど、きっと糧になる。
そう思います。
現実だと分かりにくくて忘れそうになっちゃいますけど。
もちろん、本人がそういう意識で失敗を捉えないと同じ失敗を何度も繰り返すでしょうから、失敗の受け取り方は僕達次第ということを忘れないようにしたいです。
・人を救うには、たったひとりに存在を認めてもらうこと
現代社会では、鬱だったり、自己肯定感が低い、なんていうのはさして珍しいことでもなくなっていると思います。
本作の主人公も、
あまりに悲惨な目にあったり、
うまくいかない現実にぶつかったり、
強がって大きく見せていた自分の小ささに気がついてしまったり、
誰も味方がいないしどうにもならない、
とと、にかく絶望をしてしまいます。
自分のこともクズで嫌いだと言い切ります。
そんな状態を乗り越えて最後には慕われるまでになったのは、
あるきっかけがあったからです。
それは、たったひとりの人物に、
面と向かって目を見ながら
「あなたがどんなに自分のことを嫌いでも、わたしはあなたのことが好きだ」
と伝えられたことでした。
これはズルい。
存在を肯定してもらったんですよ。
条件付きでもなんでもなく、好きだ、と存在を許された。
~だから、とか、~しているアナタではなく。
自己肯定感が低くて苦しんでいる人への救いはこれしかないんですよね。
本当に。
最後に
本作は、アニメ放送当時もその期の覇権アニメだったと思います。
Twitterでもトレンドを騒がせていたんですが、
僕は1話を逃していたためにずっと見れずにいたんです。
では何故今頃になってこの話題に触れるのか?です。
何を隠そうそれは、AmazonPrimeビデオで配信開始されていることに気がついたから!
に他なりません!
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気になっていた作品が見れることになって、
しかも見始めたらめちゃめちゃ面白かった。
さらに、面白いばかりかかなり実用的に役立つ話だった。
正直、かなり出遅れてしまっていて今更こんなことを書いてもという感じですが、
興奮さめらぬうちにと筆を取ってしまった次第です。
同じように見逃していた、という方もこの機会にどうぞ!
ではでは。
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