こんにちは、こやぷよ(@coyapuyo)です。
シン・ゴジラ観てきました!
(2016/7/29公開開始)
どんな感じなのか知りたい人もいらっしゃると思うので、
あくまで自分の視点ではありますが感想を書いて見たいと思います。
シン・ゴジラとは?
まずは基礎情報のおさらい。
ゴジラそのものについては言うに及ばずですね。
日本ゴジラシリーズ29作目となる本作。
約12年前の28作目を最後に長らく日本での制作はなされていませんでした。
それが今回、12年ぶりに日本で復活。
しかも、あのエヴァで有名な庵野監督がメガホンをとったということで話題になっていますね。
過去28作との時系列的繋がりはなく、
人類、特に日本が初めてゴジラと遭遇する様を描いています。
全体的な感想
さっそくですが、
ずばり率直に言って、以下の2つの印象が強かったです。
(もちろん個人的な私見ですが)
・広く大衆向けというよりは、「人を選ぶ作品」に仕上がっている
・エンタメ娯楽作品ではなく、ドキュメンタリーに近いテイスト
前提補足
本格的な感想の前に、前提として、
僕はゴジラも好きですし、エヴァも好きです。
が、どちらもオタクという程ではなくどちらかと言えば「にわか」です。
例えば、本作でオマージュされている初代ゴジラは見ていません。
エヴァについても、新劇場版は、全部完成してから一気に見ようと考えているうちに、いつまでたっても見れない状態に陥ってます。
では、そんな「にわか」なりに、
もう少しだけ感想を書いてみたいと思います。
人を選ぶ
人を選ぶと感じた理由は、内容が「単純に難しめ」だからです。
すでに多くのレビューで挙がっていると思いますが、
政治的、軍事的駆け引き等、割と詳細に描写されています。
「とんでもSF設定」は少な目で、「現在の世の中に本当にゴジラが表れたとしたらどうなるか」、という視点で描かれているため・・・
そんな超巨大生物が表れたとしたら
法律はどうなるのか?(災害?侵略?)
自衛隊は動けるのか?
日米同盟はどうなるのか?
といった駆け引きがかなり比重多めに描かれています。(相当多い)
戦闘シーン以外のドラマパートはほとんどこのあたりの話です。
これこそ、庵野監督の真骨頂であり、好きな人には好きかもしれませんが、政治・軍事に疎い人には殆ど何が何だか分からない可能性があります。
もちろん、意味が分からなくても戦闘パートだけつまんでみても楽しめるとは思います。
ドキュメンタリー作品
前述の通り、かなりリアル路線で描かれています。
それゆえに、
・1人のエース主人公が戦う、とか
・超絶科学兵器で戦う、とか
・物凄いモニタや機材が一杯の秘密基地がある、とか
そういったエンタメ的に盛り上がる要素はありません。
アベンジャーズとかを想像してもらえばイメージ出来るでしょうか。
ああいった派手さは全然ありません。
現在の社会に超法規的な巨大生物が現れたらどうなるのか、
その検証や警鐘、現実に非日常が表れたときの恐怖、
そのあたりをテーマにして描かれているわけですね。
キャッチコピーにもなっていますが、
どこまでも現実な本物の日本に現れた、ゴジラという虚構に、現実的に立ち向かう姿を描いた、作品な訳です。
Exciting!の面白さよりも、
Interesting!の面白さの方が強い気がします。
考証とか考察をしながら「フムフム、なるほどね」と観られる人は楽しめると思います。
戦闘シーンも、実際に近代兵器と戦ったらこうなるんだろうなという感じで、ハリウッド映画の誇張さとはまた違った面白さがあります。
ただ、悪く言えば、カタルシス的要素は少な目だったように感じます。
(オマージュとかに反応してニヤつく意味でのカタルシスはあったんですけどね)
ざっくりまとめ
ざっくりまとめるとこんな感じでしょうか。
・ゴジラファン
ちゃんと楽しめると思います。
初代ハリウッド版のイグアナゴジラのときは、
こんなのゴジラじゃないということであまり受け入れられませんでしたが、本作は少なくともそんなことはありません。
ただ、初代オマージュなので、
平成VSシリーズの派手さやプロレス感からすると違和感を感じる人はいるかもしれませんね。
劇場の客層的にも結構年齢層高めの人が多かったように思います。
・エヴァファン
エヴァ的な演出や、
エヴァの音源も一部使われており、
ニヤリとすることが出来ます。
軍事的駆け引きなんかにもエヴァらしさは表れていますね。
巨大ロボが出ないことが逆に違和感なぐらいです。
・上記以外の人
派手さとカタルシスを求める人は楽しめないかも。
リアル路線、政治・経済・軍事を楽しめる人向け。
どちらかと言えばパニックホラー寄りに描かれています。
少しでも気になった方は、
ぜひ劇場などで確かめてみてはいかがでしょうか。
ではでは。
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このメカゴジラ好きだったなぁ・・・
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続編で、是非庵野監督にメカゴジラをお願いしたいですなぁ
ちなみに、機龍をベースにするとこんな感じになりそう、という。
https://www.famitsu.com/news/201606/02107249.html
☆☆☆
ネタバレありの細かい感想
☆☆☆
さあ、ここから先はネタバレも含む、細かい感想をツラツラと書いてみたいと思います!
ネタバレを避けたい人はお戻りを。
あと、ネガティブ要素も多めなので、ご注意下さい。
・序盤の導入でもっと引き込んでほしかった。
序盤に伏線張りや盛り上がりが殆どなく引き込まれませんでした。
このあたりは初代がそうなのでしょうか?
初代を見ていないので何とも言えないのですが、
核実験の映像から入るとか、
卵を発見する描写から入るとか、
一体何が起きていて、これからどうなっていくんだ?
という徐々にアクセルを踏んでいく感じとか、
謎をバラまいて引き込んでいく感じがあればもっとよかったな、と。
僕が最近のアニメの構成に慣れ過ぎているのか、
1話で引きがないとちょっとガッカリしてしまいます。
・ゴジラの行動原理や目的を描いて欲しかった
これも初代ではどう描かれていたのでしょうか?
なぜ上陸したのか、なぜ東京を目指すのか?
原発を目指したり、
人類に制裁する目的があるのなら分かりやすいのですが、
そうでもなさそうですし。
海に戻って再上陸するほどの動機がなんなのかちょっと共感しにくかったですね。
まあ、本作では「恐怖の対象としての装置」であれば良かったわけで、そのためにはむしろ理由がない方が良かったのかもしれないですけどね。
・全体的に音楽の演出が弱かった?
ゴジラシリーズにおなじみの音楽や、
エヴァの音楽などが使用される場面がいくつかありましたが、
数える程だった思います。
ほとんどの場面でBGMが流れてなかったのでは?
序盤の「同、~」なんていう目まぐるしく舞台や場面が転換するところなんかは、まさに音楽で盛り上げるべきだったと思うんですよね。
実写映画ではそんなものかもしれませんが、
もう少し音楽をあてても良かったかな、と。
(直前まで編集してたということなので、音楽に手をかける余裕がなかった感じですかね)
素人ですが、すくなくともEVA系作品では音楽のイメージも強いだけにちょっと物足りなかった感がありました。
・シリーズ最大の瞬間火力・放射火炎!
本作のゴジラは火力が半端じゃありません。
口からだけでなく、あんなところやこんなところからも熱線を放出出来ます。
少々ぶっ飛んだ演出感はありましたが、ここは熱かったですね!
ただ、逆に、シリーズ通してゴジラ共通であり、最大の特徴である、
不死身さタフさというのが本作ではあまり感じられません。
何をやってもゴジラは倒せないし、立ち上がって来るというのが平成以降の描かれ方ですよね。
2014年ハリウッド版でも、それは分かっていてビルの下敷きになっても立ち上がるぐらいですから。
今作のゴジラは、比較的早くエネルギー切れになってしまいます。
(逆にあの火力でエネルギー切れがなかったら、チート過ぎですよね)
進化し続けるという設定ですから、これから続編があればタフになっていくのでしょうね。
・リアル路線だからこそ、ほんの少しのご都合主義が気になった
現実の法律や災害対策フロー、承認フローに出来るだけ忠実に描かれている本作ですが、それだけに終盤のごく僅かなご都合主義が気になりました。
いつどこから来るか分からないものに対して、配備や部隊転回が迅速過ぎる
鎌倉方面からゴジラが再上陸(最初は直接東京)
→武蔵小杉の高層ビル群で迎撃戦を演出したかった?
インフラがあれだけ死んでいるなかで、
どうやって避難や物資の補給が出来るのか
血液凝固剤の工場の協力やスパコンの協力も少し説得力が・・・
当時、政府公認かどうかも怪しい立場だったのに。
放射火炎を物量作戦で無効化出来るのなら、
血液凝固剤も核攻撃もいらなかったのでは?
バンカーバスターで駆除出来た気がするのは気のせい・・・
ビルを作戦で倒壊させるなんて所有者の許可は?
超法規的に接収したのかもしれませんが、それなら描写が欲しかった。
→これも先に演出ありきですよね。
どうも樋口さんはこういう傾向がある気が・・・
無人列車爆弾は意味あったのだろうか?
線路上に障害物もあるだろうし成功率が低いよ!
→これも先に演出ありきですよね。
どうも樋口さんはこういう傾向がある気が・・・
演出優先そのものは悪ではないんでけど、
本作の作風からすると説得力が・・・
まあ、創作である以上、どこまで行っても虚構はつきものなんですが、少なくとも作品世界内での理屈は通さないといけないと思うんですよね。
政治や経済があれだけ文句を言う世界観ならば、その世界内ではつじつまが合わない気がしました。
・石原さとみさんの役が厨二すぎる
進撃の巨人のときは、石原さとみ姉さんだけが唯一原作越えの好演をしていると思ったんですが、今回は残念な感じの仕上がりだと感じてしまいました。
なんというかこう、とにかく恥ずかしい。
しゃべるたびに恥ずかしい。
これはもう役の設定に無理がありすぎるので仕方がなく、
あのキャラをかっこよく演じられる人は相当に限られるんではないでしょうか。
・これを世界100ヶ国に配給するのは大丈夫なのか
つまらないとかいう意味ではありません。
(そんなのは観る人が決めることなので)
大丈夫かという意味は以下2点です。
前述のように人を選ぶ仕上がりになっているし、
高度に日本の政治的な内容を含んでいるし、
海外の人が見て分かるのか?分かっても共感できるのか?
という点が1点。
もうひとつは、
他国や歴史に関して刺激的な言い方で描いている部分もあったりするので、そこを見た海外の人がどう思うかな?
というのがもう1点です。
一体どちらに転ぶのか、楽しみですね。
にわかが偉そうに語ってしまいました。
こんどこそ黙ります、ではでは。
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