無職には旅をさせよ、台湾編。 旅子、台北に立つ

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こんにちは、こやぷよ(@coyapuyo)です。

ー12月も半ば、街はクリスマスを目前に色めき立ち始めている。

街を彩る神戸ルミナリエの明かりも、強風で倒壊してしまったりして慌ただしい。

無職になってから、季節を感じられるようになったことはありがたいけれど、

季節を感じるのがツラいようにも感じている彼がいた。

「もう、クリスマスか・・・」

吐き出した言葉には、彼の「時間の早に対する嘆き」が込められていた。

彼は会社を辞めてしまったが、

これまでのところ特に新しい職につくことも出来ないまま、

すでに8ヶ月以上が経過していた。

そんな彼にとっては、季節を感じるニュースは嬉しくも有り、

時を残酷に告げるものでもあったのだ。

「ねえ旅子さん、最近は我慢も多くなってきたし、

ここいらでちょっと旅に出ようと思うんだ・・・、どうかな?」

旅子(たびこ)さん。

彼が話しかけたその人は、自由に動けない。そういう呪いを受けていた。

けれど彼女はそんな事を意にも介さず元気である。

いつ何のきっかけでそんなことになったか彼女はもはや忘れてしまっているようだ。

旅子さん:「いいんじゃない?

どんなことも、最後は本人にしか決められないよ」

自分の気持ちを見ぬかれているのかもしれない。

「そうだね、ちょっと行ってみるよ」


そうこうして、気がついた時には彼はすでに眼前に広がる雲海を眺めていた。

IMG_20151214_134736

離陸の時の加速ー

遥か下に広がる街並みー

雨の降らない雲上の世界ー

それらは、彼の気持ちを高揚させるには十分なものだったようだ。

IMG_20151214_115221

「太陽が近いね」

「ずっと遠くはるか先まで見渡せるし、

世界は空と海で繋がっているんだって感じ。

どこまでも飛んでいきたい気にならない?」

旅子さん:「太陽に近づきすぎると翼が燃えちゃうから気をつけないとね!」

旅子さんは冷静だ・・・。

そのことが彼を落ち着かせる。


「旅子さん、記念に写真を撮ったよ」

旅子さん:「ほんと?!やったーー」

旅子台北駅

彼と旅子さんは「台湾」にやってきていた。

旅子さん:「え?後ろ姿?

しかも一緒に撮らないないのー??」

「いや、いいんだ。僕はいい。

この目でみた景色を納めたいんだ、そこに自分はいなくてもいい」

旅子さん:「ふーん、自分がないんだね!」

「そうとも限らないよ、自分がないのが自分、なんてね。

もっと言うと、自分がないのも含めて自分、だからさ」

旅子さんはズバリと物事を言うことがある。

旅子さん:「ふーん、そういうもんなの?

ま、いいけどさ!

アタシ台湾始めてだからさー

おいしいものとかあるかなー??」

「きっとあるんじゃないかな。

うん、あるといいね、おいしいもの」

台北の街は、とても穏やかだ。

200万人規模の都市とは思えないほどに静かで落ち着いた雰囲気が漂っている。

台湾 – Wikipedia

旅子さんにとって初めての台湾。

自分では動けないためのそもそも出かけたことがないらしかった。

そんな彼女に台湾を見せてあげるのも悪く無いだろう。

しかし、それは「旅子さんのため」なんて言い訳にして、

現実から逃げているだけではないのか?

現状を打開するためであれば、行動の方向が間違っているのではないか?

浮かんでくる疑念に彼自身答えられないでいるようだ。

彼には、何か現状を打破したい気持ちもあるし、それ自体は嘘ではない。

「風が心地がいいな・・・」

12月に入った台北の風は、夏の南国のイメージの甘ったるい風とは違って

案外に心地の良いものだった。

旅は始まってしまった。

旅と呼べるかもわからないそんな旅だけれど、

始まったからにはあるといい。何か得るものが。

彼と旅子さんの旅は続く。

ではでは。

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