こんにちは、こやぷよ(@coyapuyo)です。
むしゃくしゃして手を出してしまった。
旅行か物欲かを天秤にかけたとき、物欲にGOを出してしまったワタクシめをお許しください。(だってどうせ台風も来ているしさ)
というわけで、今日は超小型PC(UMPC)OneMix3Sを買ってみたレビューを書いてみたいと思います。
なんだか、2年ぐらい前にも同じようなことをやらかしていた気がする。
OneMix3Sとは何か?
最初に軽くおさらい。 OneMix3は製品の名前で、実物はこちら。
中国はONE-NETBOOK社のOneMixシリーズの3世代目で、上位グレードにはSが付くというわけですね。
https://www.one-netbook.jp/landing/onemix3/
8インチ以下のクラスのフルWindows機、そんなイロモノがこ慣れてきて完成形に近いた3世代目。
ずっと気にはなっていたのですが、そろそろ手を出してもよいところまで来たのでは、といことでこのタイミングという訳です。
ちなみに、このONE-NETBOOK社、技術面にはなかなかのこだわりを持っており、意識の高さがうかがえます。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1180398.html
このマシン、何が凄いかってそのサイズ感です。
13インチマシンと比べるとこう。
6~7インチクラスのスマホと比べてもこう。
小さくて軽く持ち運びが楽で、
非力じゃなくサクサク動き、
タッチやペンも使えてお絵描きが出来る
モバイルお絵描きブロガーには夢のようなスペックのマシンな訳です。
昔、VAIO type P が成しえなかった夢がついに実現しつつある、そこにロマンがあるッ!
・・・という訳です。
先に触れたい、悪いところ
と、盛り上げておいて・・・!
先に宣言しておきますと、非常に癖のある製品なのでどうしても気になる点はあるんです。
気になるというか、犠牲にしないといけない点、と言った方が良いでしょうか。
スペック面はもうすでに情報が多いので、本当に実用的な面について使用感をお伝えします。
発熱・ファンが半端じゃない
熱い熱いとは聞いていたものの、想像の3倍ぐらい熱いです。
特に、熱くなるのが
・電源接続して充電しながら使っているとき
・アップデート等、大きく大量のデータをダウンロードしているとき
なぜダウンロードに引っ張られるのかはシックリこないですが、なんとなくWindowsDefenderがブン回っていたりしたようにも見えました。
なので初期セットアップで色々と入れたり更新したりするときはそれはもう酷い状態でした。
一応、以下の設定で若干マシになった気もするのですが何とも言えません。
「電源オプション」→「プラン」→「詳細な電源設定の変更」
「プロセッサの電源管理」→「システムの冷却ポリシー」→「電源に接続」
これを「パッシブ」にする。
CPUをブン回してFANもブン回すのがアクティブ、FAN回すぐらいならCPUを上げないでおこう、というのがパッシブ、ということみたいですね。
ゲームやエンコード以外の、普段使いではパッシブで十分かと。
このサイズにしてはパワーのあるCPUを積んでいるので、熱に関してはトレードオフというかある程度仕方がないとは言え、予想以上でした。
↓熱関係の後日談はコチラ
キーボードの特殊配列がつらい
これもサイズが小さいことの裏返し。
検索や短文の入力であれば良いのですが、誤字しやすくそれを修正するのにもさらに誤字していくという耐え難い状態になることもしばしば。
その要因は、結構いっぱいあって以下のような感じ。
・全角/半角の変換が行いにくいこと
・使用頻度の高い「A」が空振りしやすいこと
・同じく使用頻度の高い「句読点」のキーピッチが狭いこと
・「BackSpace」「Del」の位置が上下逆であること
・Excelで使用頻度の高いF2がFnであること
・最後に奥深くキーを押し切るまでに案外力が必要で、押したつもりで押せていないことも多いこと
と、1S2S世代の人からすればだいぶ改善したようですが、初めて触る僕からすると最初はちょっと耐え難い印象でした。これは失敗したかも、というぐらいに。
ただ、この文章の執筆時点でだいぶ慣れてきており、この辺りは慣れで改善する余地があるかもしれません。
(最初は絶対に慣れることはないだろうというぐらい「あり得ない!」とも思ったぐらいでしたが、慣れって怖い・・・)
なお、半角/全角については、自分は「Esc」に割り振ることで今のところはしっくり来ています。Shift+Spaceに割り振るというのが英字配列の一般対策だと思うのですが、OneMix3ではそれでもちょっと無理をしないと同時押ししにくい感じがしたので(JISっぽい位置の) Escを犠牲にすることにしました。
MicrosoftやGoogleのIMEのプロパティから割り当てを変更出来ます。
外付けのキーボードも英語配列がベター
余談ですが、上記の不便さをせめて家にいるときだけでも改善しようと、外付けキーボードを使おうとしてもJISキーボードだと配置がずれてうまく使えません。
101キーボード(英字)106キーボード(JIS)を切り替えるのも、設定が結構奥にあるので面倒です。
これは本機に限った話ではなく、本体が英字配列キーボードの機種は避けられない問題ですね。
本機に手を出すようなギークであれば英字の高級キーボードを使っているのかもしれませんが、あいにくウチにそんな子はいなかったので買い足しました。
ただし、言語に英語を追加しておいて、Win+Spaceで言語ごとキーボードを切り替えるという抜け道はあるようなのでその方法もありかもしれません。
僕はどうせ本体側の英字配列に慣れないといけない観点からも、英字キーボードを買い足しました。
ペンの遅延が気になる
さて、もうひとつ僕にとっては重要なスタイラスペン。
まともにお絵描きが出来るのかどうか、これが大事なわけです。
結論から言えば、「iPadには完全に劣るけれどできないことはない」といった感じ。
一番気になるのは、線の遅延(ClipStudio使用)
ペンに線がついてこないので一呼吸おいてから線が描かれる感じ。
ブラシにもよりますし、どうしても耐えられないってことはないですが、これは早描きの人にはつらいかもしれないですね。
(と思って、出先で録画してみたら、それほど気にならないような気もしてきた・・・)
また、本機の液晶、初期状態だとペンで引っかき傷が結構簡単に付くような気がしました。
初期状態で保護フィルムが貼ってあるのかないのか、パッと見では判断がつきませんが、とにかく傷がついている気がします。気になる人は保護フィルム必須かもです。
(2019/09/30追記)
解像度を1600×1200に下げると遅延についてはある程度改善しました。
そもそもチップセット的に2K解像度での処理は、荷が重かったようですね。
また、傷についても、芯をソフト芯に変えることで改善しました。
僕が使っていた非純正ペンのハード芯は、固すぎ、かつ、ON荷重がかなり強めだったようで、どちらかというとペン側の要因だったようです。
(とはいえ、iPadOS13を適用したiPadProのペン追従がヌルヌル過ぎるので、それと比較してしまうとやはり比べるべくもないのは仕方がないですね。)
3S(=ブラックモデル)の指紋汚れが半端ない
僕はですね、ブラックが格好良いと思って選んだところもあるんですよ。
ところがです。
このブラック、非常に問題あって、めちゃんこ簡単に指紋がついて汚れてしまう、ということです。
とにかく目立つ。
この記事の前半に貼った画像で薄々感づいていた人も多いと思います。(改めて)
天板も触ったらダメなのですが、どうしても品案に触るキーボードですらも、すぐに汚れてしまいます。
せかっくブラックで格好良いのに、こんなに汚れが目立つんじゃあ逆に格好悪い感じです。
潔癖傾向で気にする人は、3Sはやめて3にした方がよいかもしれません。
良くできてると感じるところ
さあ、ここからはいい加減に良いところにも触れていきましょう。
液晶が普通に綺麗
色温度がどうとか、専門的なスペックの話はよく分かりません。
ただ、見た目の印象としてはめちゃんこ綺麗です。やはり解像度が高くDPIが高いのはかなり効いています。
しかも、すごく明るいです。
30%ぐらいまで落としても全然明るいな、と思えるほどです。
トラックポイントは個人的に◎
スペースキーの下にあるやつですね。
このサイズ感ではトラックポイントにするしかないのは理解できます。
トラックポイント自体が嫌いな人が多いかもですが、僕は本機のトラックポイントはアリだと思っています。
人差し指の位置ではなく、親指トラックという使い方をすると意外に機能しており、使いやすいです。
ジェスチャーこそ使えないものの、マウス移動に限って言えばトラックパッドと遜色なく使えるような印象を持ちました。(下手なトラックパッドより良いかも)
つまり、「見る機」としては完成の域にある
文章を書いたり、絵をかいたり、開発でバリバリショートカットを使う、には少々難があります。
が、綺麗な液晶で、タッチとトラックポイントがそれなりに使えるのであれば、それはつまり「見る機」としては十分に使える、ということですね。
ただ、やはりWindows機に求めるのは作業できる力であり、ビューアーとしてだけならさらに上を行くiPadが存在しているので優位性がないとも言えてしまいます。
コスパでバランスを考えて出せる人にだけおすすめしたい
といった感じで、抜きんでてよかったと感じる点より、細かく気になる点の方が多いのは確かです。
ついに完成形か?と一部でささやかれることもありますが、もう少しだけ伸び代があり、あと1~2段階ぐらい完成度を上げる余地がありそうだと感じたのは事実です。
多分2年後ぐらいには完成するのではという印象ですが、そのころにはSurfaceGoあたりも新型が出回っていることでしょう。楽しみですね。
まだ80点というところではありますが、ただ、大前提として、このスペックのこの機能が、このサイズに詰まって「今」発売されている。
そのことがすでに価値であり、凄いことなんですよね。
そこをどれだけ評価するか、に印象のすべてかかっていると思います。
正直、この手のガジェットはある程度の未完成は楽しみながら遊ぶものです。
そういった意味で、我慢点が残っているのは納得できます。
が、しかし、2Sまでと違い、3シリーズは10万円越えの価格帯になっています。
本機の場合はこの価格とのバランスをどう捉えるかが重要な判断基準だと思います。
もう少し足せば、完成形のPCたちが買えるような価格帯であり、遊びで失うにはちょっとお高い価格帯です。
自分としては、本機には~8万ぐらいの価格帯であって欲しかったのが正直な気持ちです。
10万を超えてくるとなると、やはり完成品を期待してしまうというもの。
とは言え、カスタマイズや慣れでまだまだ使えるようになっていく余地はあると思うので、僕自身は準メイン級の扱いで使ってみようと思います。
このあたり、ある程度遊びと割り切って10万円出せる余力があるかどうか、これが購入判断の分かれ道ではないでしょうか。
以上、OneMix3Sを使ってみた感想でした!
ではでは。
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